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あなたの治療は間違っていませんか? 間違いだらけの考え方と治療法

痛み・しびれの本当の原因、
もう一つの考え方と治療法

日本人の腰痛人口2800万人、膝痛人口1700万人、厚生労働省の調査によると筋骨格系の痛みをかかえている患者さんの人口は増加するばかりです。日本人の愁訴率№1は腰痛です。国民病といわれ、これだけ医療が進歩しているにもかかわらず、腰痛人口は減るどころか、増加の一途です。
この腰痛に対する現在おこなわれている治療方法はレントゲン検査やMRI検査で、腰椎(骨)に原因を求める画像診断法です。
あくまでも腰痛の原因を腰椎5節に求める方法です。

実はこのような画像診断法はもはや限界に達しており、先進諸国では画像診断法とはまったく考え方の違う、別な考え方と治療法を採用しています。
国民病とまでいわれて、増加の一途の腰痛の捉え方、診断方法、治療法もすべて大きく変わる時期にきています。

当院ではもう一つの別な考え方と治療法を採用しています。
開院以来38年経過していますが、25年程は、痛みの原因を骨に求める考え方と、それにともなった治療法で施術をおこなってきました。
しかし医療先進国から、今までの考え方とはまったく異なった新しい考え方の情報が届くようになりました。
そこで新たに、骨が直接の原因ではなく、筋肉に原因を求める考え方を20年ほど前より採用して、臨床経験を積んできました。
当初はやはり長年の考え方、臨床方法から抜け出せず、葛藤の毎日でした。しかし、治療成績は以前とは比べようもなく、臨床効果に後押しされ、現在は筋骨格系の問題はすべて、もう一つの新しい考え方で治療・施術をおこなっています。
県内接骨院、整形外科でこのような新しい考え方と治療施術をおこなっている院は僅かです。時間はかかると考えられますが、今後はこのようなもう一つの考え方が主流になります。

1腰痛のきっかけ、部位や痛み方からチェックする

まず、疑わしい腰痛の原因が内臓や血管の病気ではなく、腰椎に問題ありと判定された方は、詳細問診チャートをおこなってみましょう。
このチャートは腰痛が起こったきっかけや痛む部位とその強さ、痛み方の特徴など、皆さんの腰痛の状態についてさらに詳しく調べることで、もっとも疑わしい病気を見つけ出すことができます。

2腰の前屈や後屈をすると痛みが増す方へ

体を前後に曲げたり伸ばしたりして腰痛の原因を探ってみましょう。
腰そのものの異常か、内臓や血管から関連痛として発生する腰痛かを見分けます。
姿勢や動作によって痛みが変化するかどうかが重要な判断基準になります。
前屈(腰の前かがみ)時に痛みが強まれば椎間板ヘルニアなどの椎間板性の腰痛が疑われます。
反対に腰を後屈(後ろに反らす)した際に痛みが強くなり、前屈した際に楽になる場合は脊柱管狭窄症が疑われます。この椎間板ヘルニアと脊柱管狭窄症は発症のメカニズムは全く違っていますが、腰痛や片側の下肢につま先まで痛み、しびれがでる症状はよく似ています。しかし、このヘルニアと狭窄症は痛みの発現のしかたが、大きく異なっています。ヘルニアの場合はラセーグ徴候といって、あおむけに寝て下肢を伸ばしたまま片足を持ち上げてもらうと、30度から60度くらいの位置で腰痛や下肢痛がでます。
狭窄症では長い距離を歩けなくなります。しびれがひどくなり、症状が進むと数十メーター歩いただけでお尻から下肢にかけてしびれにより、歩行が困難になります。

しかし、地面に数十秒しゃがみこんでいると、しびれがスーッと引き、また歩けるようになります。

3安静時にも痛みがある方へ

腰部そのものが原因で腰痛が発症しているのか?
それとも内臓病や血管病といった他の病気に起因した関連痛としての腰痛なのか?

ごく一部ですが関連痛としての腰痛も発生します。しかし、ごく一部とはいえ、命にかかわる場合もありますので、まっ先にその可能性を打ち消しておく必要があります。例えば夜間、就寝後数時間すると腰が病めてきて覚醒してしまう。このような状態が続いている、このような安静時痛はあるが日中は腰痛も無く普通に仕事もできるといった状態です。このような場合は内臓病に起因した関連痛としての、腰痛です。

4腰・お尻・背中にこり、張りがある方へ

最近、整形外科の分野で、腰痛、腰下肢痛の原因の主なものとして「トリガーポイント」という考え方が注目されています。トリガーとは引きがねという意味で、このトリガーポイント(筋肉の圧痛・硬結点)が引き金となり、トリガーポイントを指で押すと、押したその部位だけが痛みをだすのではなく、別の部位に痛み・しびれ感が広がっていくのが確認できます。例えばお尻の筋肉の小臀筋のトリガーポイントを押すと、大腿の筋肉や下腿のふくらはぎの筋肉まで、痛みや、しびれが発生します。

不良姿勢や、偏った体の使い方により、無理を強いられる筋肉が現れます。その筋肉がトリガーポイントをその筋肉内に発生させます。やがてこの引きがね点により、関連痛が別の部位にでるようになります。下肢に関連痛が出る場合を坐骨神経痛と長年呼んできたのです。

整形外科ではこのトリーガーポイントに直接、痛み止めの注射を施行しています。たいへん即効性があり、これからの整形外科の中心的治療法になる可能性があります。
私たち柔道整復師の治療にも取り入れるべき治療法です。整形外科のように特別注射をする必要もありません。トリガーポイントは体中に600ほどあるといわれています。

しかも東洋医学でいうところの、正しくツボです。そのツボは、経絡というラインによりつながっています。痛みもしびれも経絡ラインに発生します。坐骨神経痛は経絡ラインに発生しています。ツボ=トリガーポイントです。やはり、東洋医学に最終的にはたどり着いたのです。残念ながら西洋医学の医師は、東洋医学を否定しており、いまさら東洋医学には変えますとは言えません。そこでトリガーポイントと命名して治療しています。東洋医学でのツボ治療は硬結点(トリガーポイント)をほぐせば、ことたります。しかしいくら硬結点を揉みほぐしても、体の不良姿勢や偏ったからだの使い方等により、硬結点はまた発生します。元になる根本的な問題を解決することが先です。硬結点は結果として現れ、発生したものです。そもそも根本的な問題がなければ、硬結点は発生しなかったはずです。

当院の根本的な根治療法を、どうぞ受けてみてください。

現代医学がこれだけ進歩しているにもかかわらず、腰痛患者さんは増加の一途です。何も腰だけに限らず、膝痛患者さんも増加しています。いろいろな医療機関、さまざまな治療をおこなっても、症状がいっこうに改善せず、ドクターショッピングを繰り返す“腰痛難民”といわれる患者さんが急増しています。

この10年間ほどで腰痛の診断法や治療法がMRI等の画像診断機械の進歩のより、たいへん進歩したといわれています。しかし腰痛の85%の患者さんは原因不明といわれ、心療内科に通院されて、向精神薬を服用している方も多くなってきています。一般的には医療水準が上がってきたかといえば、未だに腰痛に関しては脊椎の異常が腰痛の原因とされています。MRI画像検査が進んだことにより、医療者側は神経根圧迫説を診断の根拠としており、画像のみに固執した診断の陰に隠れた真の原因を診ようともしていません。これだけ多くの腰痛難民をつくってきた画像検査診断法を変える時期にきています。患者さん側も最新のMRI検査さえ受ければ、腰痛の原因が手に取るようにわかると思っています。しかし腰椎画像に異常が認められても、実際の痛み、しびれとは一致しないことが非常に多いという事実を知る必要があります。例えば、無痛ヘルニアというヘルニアが多数存在します。MRI検査でたまたま腰椎椎間板ヘルニアが画像診断されたにもかかわらず、本人は痛みもしびれも全くありません。他方、画像診断でヘルニアは確認できないにもかかわらず、腰下肢にヘルニア様の症状が出ている場合も多く存在します。アメリカでは腰痛で病院へ行っても、レントゲン検査をほとんどの場合でおこないません。画像診断のエビデンス(医学的根拠)の低さを認めているからです。

参考に2007年の米国内科学会(ACP)と米国疼痛学会(APS)の診療指針をあげてみます。

ACPとAPSは患者の分類、画像検査、患者教育、自己治療、薬物治療と非薬物治療に関するガイドラインを出しました。その中で85%を占めるという非特異的腰痛の患者に対しては、X線、CTスキャン、MRIなどの画像検査やその他の診断用検査を慣例的に実施してはいけないと強く推奨し、こうした検査は神経脱落症状が重傷または進行する患者か、癌や感染症などの腰痛の原因疾患が疑われる患者の場合に限って実施すべきであるとしています。このことは何を意味するかといえば、腰痛においての画像診断のエビデンスの低さを物語っているのです。

重篤な状況とは3つしかありません。背骨に腫瘍ができているか、癌が転移している。膀胱直腸障害といって、おしっこが詰まって出てこなくなったり、排便のコントロールができなくなってしまって、うんこのたれながしです。もう一つが脊髄の中に雑菌が入ってしまって、○○性脊髄炎と診断が付く症状の3つが命に係る重篤な問題な症状です。

この3つが疑われる際は画像検査なり血液検査なりをおこなって、診断をおこないましょうと診療指針では薦めています。日本版腰痛診療指針を策定した委員会のメンバーの福島県立医科大学の矢吹省司教授の談話を取り上げてみます。

「患者が望むこともあり、現状では約8割で画像検査をするが、痛むからといって画像検査で原因がわかることは実は多くない。単に加齢で起きている骨や神経の変化を画像で患者さんに示して『だから状態が悪いんだ』と思い込ませるのは逆効果だ。慢性痛では深刻に考えすぎて安静にするより、体を動かしたほうが症状が軽くなる可能性が高い。」

日本における腰痛分野の研究では、最高水準といわれる福島県立医科大学整形外科教授先生にして、『思い込ませは逆効果』とまで言わしめたところに、腰痛患者が現在2800万人、国民病とまでいわれている腰痛の根本原因が見えてきます。


当院の腰痛ガイドラインによる診断手順
問診と身体検査

注1・注2)胸の痛み、発熱、体重減少、重篤な脊椎疾患の兆候

①全身に発熱や微熱が続いたり、だるさを伴う
化膿性脊髄炎(黄色ぶどう球菌)、結核性脊髄炎(結核菌)、胆石、胆のう炎、インフルエンザなどの疑い

②吐き気を伴う
胃・十二指腸潰瘍、膵炎、胆のう炎、胆管炎、腎盂腎炎、尿管結石、腎下垂、遊走腎、ガンなどの疑い

③上腹部痛を伴う
腹部大動脈瘤(姿勢や動作に関係なく、突然の激しい腰背部痛がでたら救急車)、消化器系の病気などの疑い

④下腹部痛を伴う
泌尿器系・婦人科系の病気の疑い

⑤日に日に痛みが増す
ガン、胃・十二指腸潰瘍、腎盂腎炎、肝硬変、婦人科系の病気

注3・注4)まひやしびれ、筋力低下(いわゆる椎間板ヘルニアの本体、正体)、膀胱直腸障害
  1. 足関節の背屈、底屈で力が入らない、つま先立ちが困難
  2. つま先を上げてかかと歩きができない
  3. つま先が引っかかりやすく、つまずくことがある
  4. スリッパが脱げやすい
  5. 尿が出にくくなったり、出なくなる。排便のコントロールがうまくいかなくなる(膀胱・直腸障害)
  6. 肛門・性器周辺が熱く感じる、勃起する、しびれる
注5・注6)非特異的腰痛

重篤な脊椎疾患の兆候が無い限り、すべての非特異性腰痛患者に画像検査をする必要はないと推奨された。全腰痛患者の85%以上を占めるこの非特異性腰痛患者は、まず腰痛があればX線検査をほとんどの腰痛患者に実施していたが、X線で骨や神経の異常がないか調べる今までの診療は大きく変わる時期にきている。
2007年米国内科学会(ACP)と米国疼痛学会(APS)の腰痛診療ガイドラインによると、腰痛の85%を占める非特異的腰痛患者に対しては、X線、CTスキャン、MRIなどの画像検査や、その他の診断検査を慣例的に実施してはいけないと強く推奨されています。

なぜ、X線、CTスキャン、MRIなどの画像検査を当たり前のように実施していた検査をなぜやってはいけないのでしょう?
  1. まず最初に、腰痛の85%以上を占める非特異性腰痛の原因は腰の骨(5節の腰椎)に無いということがわかっています。腰の骨に原因が無いのなら何がこの腰痛の犯人なのでしょう?腰痛の犯人、腰痛の原因の元は「筋肉」です。「腰の筋肉が真犯人です。筋肉が原因なのに、骨にばかり原因を求めては、治る物も治らなくなってしまうのです。
  2. 日本人の成人の4人に3人は腰のヘルニアがあるというデータまでで発表されています。若い人はヘルニア、お年寄りは狭窄症が多いというデータがでています。腰痛でX線検査をして、ヘルニアや狭窄症の疑いがあれば、MRI検査になります。
    画像ではっきりとヘルニアや狭窄が見つかればその患者さんはヘルニア人生の始まりです。
    狭窄症人生の始まりです。
    潰れて神経を圧迫している画像を先生から見せられ、「これがあなたの腰痛の元です。場合によっては手術になります」という夢も希望も無い話に落胆し、重いものは持たない、好きなゴルフは封印し、腰をかばいながら動きます。
    結果、腰の筋肉はどんどん落ちてしまいます。筋肉量は低下し、伸びの悪い硬い筋肉に変わり、少しの負担で直ぐに腰痛がでるようになります。
    本人は腰痛の度にまたヘルニアがでたと硬く信じ込んでしまいます。負のヘルニアパターンの悪循環から抜け出せなくなります。
    一生涯ヘルニア人生を送る人が多くいます。このヘルニアが無かったらもっともっと人生楽しめたはずです。ヘルニアの診断を受けたばかりに、ヘルニア人生を送るはめになってしまったのです。けっして大げさに表現しているわけではありませ。このような患者さんを数多くみてきました。

思い込ませは逆効果

腰痛診療指針の策定委員会メンバーである福島県立医科大学の矢吹省司整形外科教授のコメント

患者さんが望むこともあり、現状では約8割で画像検査をするが、痛むからといって、画像で原因がわかることは実は多くない。単に加齢で起きている骨や神経の変化を画像で患者さんに示して、「だから症状が悪いんだ」と思い込ませるのは逆効果だ。慢性腰痛では、深刻に考えすぎて安静にするよりも、体を動かしたほうが症状が軽くなる可能性が高い。

このようなコメントを新聞に載せています。画像のイメージは強いものがあります。「私の椎間板はこんなにつぶれていたのか」とはっきりイメージで残ります。ことあるごとに潰れた椎間板のイメージが思いだされ、腰をかばって動くようになります。つねに腰が思うように動かせなくて、やりたいスポーツもできず、常にストレス状態におかれます。最終的にはもうこの腰一生涯治らない、この責苦はずっと続くのかと、心理的にまいってしまいます。心身症になってしまう腰痛持ち患者さんも少なからずいます。

まとめ

椎間板ヘルニアは痛みもしびれも出しません。

さらに狭窄症、分離症、すべり症、変形性腰椎症など病院で診断名をつけられる腰の関しての傷病名はすべて痛みもしびれも別の問題で痛み、しびれを発生させているのです。間違った病態のとらえ方では、治るものも治らないわけです。