腰痛・ヘルニア最新情報

あなたの腰痛治療は間違っていませんか?

もう一つの考え方と治療法

日本人の腰痛人口2,800万人、膝痛人口1,700万人、厚生労働省の調査によると筋骨格系の痛みをかかえている患者さんの人口は増加するばかりです。日本人の愁訴率№1は腰痛です。国民病といわれ、これだけ医療が進歩しているにもかかわらず、腰痛人口は減るどころか、増加の一途です。

この腰痛に対する現在おこなわれている診断方法はレントゲン検査やMRI検査で、腰椎(骨)に原因を求める画像診断法です。あくまでも腰痛の原因を腰椎5節に求める方法です。

実はこのような画像診断法はもはや限界に達しており、先進諸国では画像診断法とはまったく考え方の違う、別な考え方と治療法を採用しています。国民病とまでいわれて、増加の一途の腰痛の捉え方、診断方法、治療法もすべて大きく変わる時期にきています。

たいへん多い腰のヘルニア患者さん

当院の来院患者さんの愁訴部位別統計を取ってみても、腰痛患者さんの来院が圧倒的に多く、特に腰のヘルニアで悩んで苦労している患者さんはたいへん多いです。

どうして腰のヘルニアだけがこんなに多いのか?

ヘルニアは高度な医療機器で診断されます。MRI、レントゲンの画像診断です。
当たり前ですが、病院に行かなければ、ヘルニアの診断を受けることはなかったはずです。一生の間に腰痛で病院にかからない人は、相当数いると考えられます。
そういう私も今までに一回も整形外科に行ったことはありません。
とすると現在の整形外科診断基準で腰のヘルニアの人は、もっともっと多いと考えられます。

クローズアップ現代で腰痛特集

2013年7月2日にNHKクローズアップ現代で放映された腰痛特集はたいへんな反響を巻き起こしました。番組の内容で腰のヘルニア患者の割合が今まで考えられてきた以上に、たいへん多いということが言われていました。

あくまでも画像診断で椎間板がつぶれていれば、間違いなくヘルニアの診断が付きます。しかしその診断を受けたヘルニア患者さんの大多数は腰痛と片側の痛みとしびれが主訴の患者さんで、下肢の運動麻痺、例えば足指の背屈力の低下等の症状は出ていません。そのような症状が出ている患者さんは稀です。

7割の人が腰椎椎間板ヘルニアを持っている

2年前位だと記憶していますが、NHK番組“あさいち”で腰痛特集を放映しました。
その中で腰に負担のかかる職業の方15人を、慶応虎の門病院に集まってもらって、高名な整形外科の大家の先生に、この15人の方たちをMRIを使って診断してもらいました。なんとそのうち13人に腰椎椎間板ヘルニアが見つかり、その内3人はすぐに手術をした方が良い、何とも異常なしの方は2人という診断結果がでました。
しかし後で種明かしですが、この15人は全員、腰痛経験の無い人たちばかりを集めたのでした。
これは驚きの結果です。

ヘルニアがあるのに痛みが無い人たちがこの世の中には多く存在するという事実です。
日本人の成人の7割位の人がヘルニアを持っているという最新の研究データもあります。はたして、腰椎椎間板ヘルニアは痛みやしびれを出すのでしょうか?こんな疑問がわいてきます。画像診断のエビデンスの低さを物語っています。

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あなたの腰痛はどのような診断名がつくでしょうか?

ひと言で腰痛といっても、数多くの診断名(傷病名)が付きます。
一般的には原因となる診断名(傷病名)ごとに症状も違えば、対処法も変わってきます。腰痛に的確に対処するにはまず、ご自分の腰痛の正体を把握することです。

では、具体的にあなたに当てはまる腰痛はどのような症状や特徴があり、またどのような治療法があるのでしょうか。あくまでも整形外科で付けられる診断名です。

<腰痛を招く主な傷病名>

  1. 腰椎椎間板ヘルニア
  2. 腰部脊柱管狭窄症
  3. 腰椎すべり症
  4. 腰椎分離症(分離すべり症)
  5. 腰椎変形性脊椎症
  6. 腰椎圧迫骨折
  7. 仙腸関節捻挫
  8. 筋・筋膜性腰痛
  9. 急性腰痛症(ぎっくり腰)
  10. 姿勢性腰痛
  11. 結核性・化膿性脊椎炎
  12. 脊椎腫瘍
  13. 心因性腰痛

次にそれぞれの傷病名の説明です。この解説は今までの整形外科的成書に書かれている一般的な傷病名の説明です。この説明の根拠になっている説が“神経根圧迫説”です。
1から5までは、この説に基づいた説明です。当院では、この“神経根圧迫説”は採用していませんが、一般的な整形外科的知識として、知っておかれることも大切です。

1.腰椎椎間板ヘルニア
椎間板の軟骨が飛び出して、神経の根本を圧迫し坐骨神経痛様症状を引き起こす

腰痛に加えて、左右どちらか一側の臀部から下肢にかけて痛みやしびれが発生する。このような坐骨神経痛様症状が続くようならば、腰椎椎間板ヘルニアを疑います。

2.腰部脊柱管狭窄症
脊髄の通り道の脊柱管が狭くなって脊髄神経が圧迫され、間欠破行を招く

腰部脊柱管狭窄症は年齢と共に腰部の椎骨の中(脊柱管)を通っている脊髄神経から左右にでている神経根を圧迫、または精髄神経の下部(馬尾神経)が圧迫される病気です。
特徴的な症状は、こま切れにしか歩けなくなる間欠破行です。しゃがみこんで休むとすーと楽になって、また歩行できます。症状が進むと、数十メートル位しか歩けなくなります。

3.腰椎すべり症
腰部の5つの腰椎の一つが前方に少しずれた(すべった)状態で発症する腰痛

私たちの腰椎は5節からなり、脊柱の前彎カーブにより安定性を欠き、第4腰椎がお腹側にずれてしまう場合があります。まれに第5腰椎がずれることもあります。

4.腰椎分離症(分離すべり症)
若い頃の運動等により腰椎に負担がかかり過ぎ、疲労骨折が起こり腰椎がずれる

成長期に激しい運動をおこなったために、椎体と椎弓部とよばれる部分が疲労骨折を起こしてしまい、椎体部と椎弓部が分離してしまう状態を腰椎分離症といい、分離した椎体部がお腹側にすべって(ずれて)しまうと腰椎分離症の診断名がつきます。最近では生まれながらの椎骨の奇形といわれ、はっきりとした原因はわかりません。

5.腰椎変形性脊椎症

年齢と共に椎間板の水分量が減少し、椎間板自体のクッション性が低下し、また椎骨の縁に骨棘といわれる骨のとげが形成され神経を刺激することによって、腰下肢痛が起こります。

6.腰椎圧迫骨折

後ろ向きに転倒して、お尻を突き上げるとその衝撃は脊柱の腰椎の1、2番または胸椎の12、11番目くらいの部位が、上下から押しつぶされたような形状になります。圧迫骨折が発生すると、急性の激痛がでます。しかし、つぶれても痛みの出ない、もしくはすぐに症状が治まることもあり、レントゲン写真を撮っても、以前につぶれたものとの鑑別は難しい場合もあります。骨粗しょう症がもとになっているといわれていますが、背中が丸くなってしまうと、圧迫骨折をおこしやすくなります。

7.仙腸関節捻挫
骨盤と仙骨をつないでいる仙腸関節にわずかなズレ(あそび)がでると、腰、臀部、脚の付け根等に痛みが現れる

仙腸関節は脊柱の一番下にある仙骨と骨盤の腸骨を、人体で一番強固な靭帯で連結している関節です。一般的な関節のように大きく動く関節ではありませんが、体の上体の重さを骨盤で受け止め、この重さの圧力を左右の両股関節に分散させる重要な役割を持った関節です。わずかな関節自体の可動域(あそび)がありますが、偏って体の使い方、不良姿勢から、関節のあそびが大きくなってしまい、ずれてしまいます。骨がずれると痛みがはなはだしく、ぎっくり腰はこの仙腸関節が急にずれてしまったことによる場合がほとんどです。整形外科的には長年不動関節といわれ、この部位は無視されてきましたが、一部の整形外科医はたいへん注目しています。そして仙腸関節炎として、治療対象になってきています。
座っていると、お尻が痛くて座っていられない、歩くと痛い、あおむけに寝て寝返りを打つと痛くて覚醒してしまう等、もちろんぎっくり腰もほとんどすべてといっていいくらい、この仙腸関節のずれによる痛みです。最近巷では骨盤調節がはやっていますが、骨盤調節=仙腸関節調節です。仙腸関節を本来の良い状態に調整すると、いろいろな体の不調が改善されることが実証されて、骨盤調節がたいへん人気をはくしていることが納得できます。

8.筋・筋膜性腰痛

長期間、同じ姿勢を強いられたり、偏った動作をしていると筋肉に負担がかかり、血流不全になり、筋肉にコリが発生し、痛みが発生する。背中から腰にかけて、慢性的な痛みが現れます。このような筋肉、筋膜に関係した腰痛が筋・筋膜性腰痛です。

9.急性腰痛症(ぎっくり腰)
腰部を無理に動かしたり、何気ない動作でも突然激しい痛みに襲われる腰痛

朝、洗顔で前かがみになった際に突然腰に激痛が出たという経験をお持ちの方は多いと思います。また、重い物を持ち上げようとして腰に力を入れた時など、魔女の一突きといわれる、急性腰痛一般的にはぎっくり腰といわれる激痛を伴う腰痛です。原因は腰の筋肉の損傷です。無理に腰を動かそうとして、腰の筋肉が損傷することから発症するといわれています。

10.姿勢性腰痛
同じ姿勢や悪い姿勢を長時間続けると起こる

私たちの仕事は同じ姿勢を長時間続けることが多いと思います。背中を丸くして悪い姿勢が習慣になってしまっている人はたいへん多いです。例え椅子に腰かけていても不良姿勢では腰の筋肉に強い負担がかかっています。結果、筋肉は常に血行が悪化し不要老廃物が筋肉に蓄積し、その不要老廃物はやがて痛みの発痛物質に変わり腰痛の原因となっています。筋肉は動かないでじっとしていることが苦手です。筋肉は曲げたり伸ばしたりすることによって、まるでポンプのように血流を作ってくれます。仕事で長時間同じ姿勢を強いられる人は、発症しやすい腰痛です。

11.結核性・化膿性脊椎炎
結核菌や細菌が脊椎に入ってしまい、背中や腰に痛みが現れる

結核性脊椎炎は結核菌が脊椎に感染して、腰や背中の鈍痛、倦怠感、微熱などの症状が現れます。かつて結核にかかったことのある高齢者に発症します。化膿性脊椎炎は黄色ブドウ球菌などの細菌が脊椎で化膿して、腰や背中に激痛が現れます。治療は抗生物質の投与などの保存療法がおこなわれます。

12.脊椎腫瘍
他の臓器にできた癌が脊椎に転移して激痛を起こす

乳がん、肺がん、前立腺がんなどからの転移することが多く、昼夜を問わず、腰の激痛をともなうことが多く、腰椎に転移した場合、脚の痛み、しびれをともなうことがあります。

13.心因性腰痛
原因不明の腰痛の中で、ストレスが腰痛の原因となる

もともと腰痛があり強いストレスを受けると、ストレスは体の弱い部分にでるため、腰痛を発症したり、慢性的に腰痛を感じるようになります。最近の研究で、腰痛はぎっくり腰などの急性腰痛を含め、全腰痛患者の85%は原因がよくわからない腰痛であり、心因性腰痛が多くなっています。

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当院の腰痛ガイドラインによる診断手順

診断手順表

注1,2 胸の痛み、発熱、体重減少、重篤な脊椎疾患の兆候

  1. 全身に発熱や微熱が続いたり、だるさを伴う
    化膿性脊髄炎(黄色ぶどう球菌)、結核性脊髄炎(結核菌)、胆石、胆のう炎、インフルエンザなどの疑い
  2. 吐き気を伴う
    胃・十二指腸潰瘍、膵炎、胆のう炎、胆管炎、腎盂腎炎、尿管結石、腎下垂、遊走腎、ガンなどの疑い
  3. 上腹部痛を伴う
    腹部大動脈瘤(姿勢や動作に関係なく、突然の激しい腰背部痛がでたら救急車)、消化器系の病気などの疑い
  4. 下腹部痛を伴う
    泌尿器系・婦人科系の病気の疑い
  5. 日に日に痛みが増す
    ガン、胃・十二指腸潰瘍、腎盂腎炎、肝硬変、婦人科系の病気

注3,4 まひやしびれ、筋力低下(いわゆる椎間板ヘルニアの本体)、膀胱直腸障害

  1. 足関節の背屈、底屈で力が入らない、つま先立ちが困難
  2. つま先を上げてかかと歩きができない
  3. つま先が引っかかりやすく、つまずくことがある
  4. スリッパが脱げやすい
  5. 尿が出にくくなったり、出なくなる。排便のコントロールがうまくいかなくなる(膀胱・直腸障害)
  6. 肛門・性器周辺が熱く感じる、勃起する、しびれる

注5,6 非特異的腰痛

重篤な脊椎疾患の兆候が無い限り、すべての非特異性腰痛患者に画像検査をする必要はないと推奨されました。全腰痛患者の85%以上を占めるこの非特異性腰痛患者は、まず腰痛があればX線検査をほとんどの腰痛患者に実施していましたが、X線で骨や神経の異常がないか調べる今までの診療は大きく変わる時期にきています。
2007年米国内科学会(ACP)と米国疼痛学会(APS)の腰痛診療ガイドラインによると、腰痛の85%を占める非特異的腰痛患者に対しては、X線、CTスキャン、MRIなどの画像検査や、その他の診断検査を慣例的に実施してはいけないと強く推奨されています。

なぜ、X線、CTスキャン、MRIなどの画像検査を当たり前のように実施していた検査をなぜやってはいけないのでしょう?

1)まず最初に、腰痛の85%以上を占める非特異性腰痛の原因は腰の骨(5節の腰椎)に無いということがわかっています。腰の骨に原因が無いのなら何がこの腰痛の犯人なのでしょう?腰痛の犯人、腰痛の原因の元は「筋肉」です。「腰の筋肉が真犯人です。筋肉が原因なのに、骨にばかり原因を求めては、治る物も治らなくなってしまうのです。

2)日本人の成人の4人に3人は腰のヘルニアがあるというデータまでで発表されています。若い人はヘルニア、お年寄りは狭窄症が多いというデータがでています。腰痛でX線検査をして、ヘルニアや狭窄症の疑いがあれば、MRI検査になります。画像ではっきりとヘルニアや狭窄が見つかればその患者さんはヘルニア人生の始まりです。狭窄症人生の始まりです。潰れて神経を圧迫している画像を先生から見せられ、「これがあなたの腰痛の元です。場合によっては手術になります」という夢も希望も無い話に落胆し、重いものは持たない、好きなゴルフは封印し、腰をかばいながら動きます。結果、腰の筋肉はどんどん落ちてしまいます。筋肉量は低下し、伸びの悪い硬い筋肉に変わり、少しの負担で直ぐに腰痛がでるようになります。本人は腰痛の度にまたヘルニアがでたと硬く信じ込んでしまいます。負のヘルニアパターンの悪循環から抜け出せなくなります。一生涯ヘルニア人生を送る人が多くいます。このヘルニアが無かったらもっともっと人生楽しめたはずです。ヘルニアの診断を受けたばかりに、ヘルニア人生を送るはめになってしまったのです。けっして大げさに表現しているわけではありません。このような患者さんを数多くみてきました。

思い込ませは逆効果

腰痛診療指針の策定委員会メンバーである福島県立医科大学の矢吹省司整形外科教授のコメント

患者さんが望むこともあり、現状では約8割で画像検査をするが、痛むからといって、画像で原因がわかることは実は多くない。単に加齢で起きている骨や神経の変化を画像で患者さんに示して、「だから症状が悪いんだ」と思い込ませるのは逆効果だ。慢性腰痛では、深刻に考えすぎて安静にするよりも、体を動かしたほうが症状が軽くなる可能性が高い。

このようなコメントは新聞に載せています。画像のイメージは強いものがあります。「私の椎間板はこんなにつぶれていたのか」とはっきりイメージで残ります。ことあるごとに潰れた椎間板のイメージが思いだされ、腰をかばって動くようになります。つねに腰が思うように動かせなくて、やりたいスポーツもできず、常にストレス状態におかれます。最終的にはもうこの腰は一生涯治らない、この責苦はずっと続くのかと、心理的にまいってしまいます。心身症になってしまう腰痛持ち患者さんも少なからずいます。

まとめ

椎間板ヘルニアは痛みもしびれも出しません。さらに狭窄症、分離症、すべり症、変形性腰椎症など病院で診断名をつけられる腰の関しての傷病名はすべて痛みもしびれも別の問題で痛み、しびれを発生させているのです。間違った病態のとらえ方では、治るものも治らないわけです。

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特異性腰痛または非特異性腰痛の鑑別

特異的腰痛は命にかかわるような事態を引き起こしたり、重篤な後遺症を残すような腰痛です。つまり医療機関で検査、治療が必要です。次に挙げた8項目に当てはまるようであれば、病院での検査をおすすめします。

  1. 安静にしていても痛い。昼夜、横になっても痛い。うずくような鈍痛。楽な姿勢が無い。
  2. 鎮痛剤を1か月間程度、使っても痛みが改善されない。
  3. 痛みやしびれがお尻から大腿部、下腿部まで発現する。
  4. 肛門、性器周辺が熱く感じる、勃起する、しびれる。
  5. 尿が出にくくなったり、でなくなる。排便のコントロールがうまくいかない。(膀胱・直腸障害)
  6. 足関節の背屈、底屈で力が入らない。つま先立ちが困難、つま先を上げてかかとで歩けない。スリッパがぬげやすい。歩くときにつま先が引っかかり、つまずくことがある。歩くときに脚に力が入らず、歩きにくい。
  7. 後ろに転倒して尻もちをついた後、痛みがでて動けなくなる。
  8. 姿勢や動作に関係なく、突然激しい腰背部痛が起こったら、直ぐに救急車で病院へ。

1. と 2. と 8. は重篤な病気がある可能性があります。まれに、悪性腫瘍(がん)が原因で腰痛をおこすこともあります。横になっても、鎮痛剤をしばらく服用しても、うずくような頑固な腰痛とともに、特別思い当たることもなく、体重が急に減っていった患者さんが、実はがんの腰への骨転移であった等、特に高齢者に多い多発性骨髄腫は、骨がもろくなり、そのことが原因で、痛みを発現している場合もあるようです。背骨への転移を起こしやすい癌として、乳がん、肺がん、子宮がん、胃がん、前立腺がん、腎臓がん、甲状腺がんなどがあり、乳がんと肺がんで頻度が高く、この2つで約4割を占めると言われています。化膿性脊椎炎や結核性脊椎炎も脊椎に黄色ぶどう球菌、結核菌が脊椎に感染したものです。微熱が続く腰痛は要検査です。耐えられない痛みが起こるもので、尿路結石もあります。婦人科病でも腰痛が発現する場合もあります。

3. と 4. と 5. と 6. は椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症などにともなう神経的な痛み、運動障の可能性および重症の椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症の可能性、
7. は脊椎圧迫骨折の可能性、
8. は解離性大動脈瘤、動脈瘤破裂などの命にかかわる血管系の病気の可能性があります。

1. ~ 7. までの項目で単発より複数当てはまる場合が多いようです。
1. ~ 7. までのいずれの項目にも当てはまらない腰痛は、非特異性腰痛の可能性が高く、検査機器の揃った病院でなくても、治療は可能です。ただし当院では、一般的に採用されている神経根圧迫説にもとづいた診療体系は採用していません。椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症、すべり症、分離症も治療対象として施術をおこなっています。しかしこれらの疾患は、いずれもケースバイケースです。命にかかわったり、重篤な後遺症を残すような疾患や症状に対しては、鑑別診断をしっかりおこなっており、取り返しのつかないような事態を招かないためにも、常に最新の知識の習得に努めています。

たかだか腰痛といいますが、ごくわずかですが、命にかかわったりする腰痛もあります。そのための鑑別診断と臨床経験が大事になってきます。癌が転移していたり、大動脈瘤破裂のように、明らかに普通とは違うということがわかっていれば問題ありません。

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腰椎椎間板ヘルニア

当院では施術の前に予診表に記入してもらっています。[ 予診表 ]

当院に来院されるまでに、病院で椎間板ヘルニアの診断を受けていられる方が、たいへん多いと感じていす。先週は腰痛が主訴で来院された3名の全員が、腰椎椎間板ヘルニアの診断を病院で受けていました。
たまたまというより、腰痛患者さんはヘルニアの方が圧倒的です。なぜかと言えば、MRIなどの検査機器が発達して、椎間板ヘルニアの診断が容易になったことによります。
このようなデータもあります。日本人成人の4人に3人は腰椎椎間板ヘルニアを持っているというデータまででています。椎間板がいつ、何時潰れたかはわかりませんが、その潰れた時点では、痛みもしびれも発現しません。
たまたま運悪く、腰痛や下肢痛、しびれがでて病院に行って検査を受けると、「腰のヘルニアですねぇー、○番目の椎間板がつぶれて、神経を圧迫しています。これがあなたの痛み、しびれの原因です。少し薬で様子をみましょう。もし症状がひどくなるなら、手術も考えておいてください」このような内容の説明を受けたかたがほとんどです。

これからが皆さんお決まりのヘルニア人生の始まりです。
誰でも手術はしたくありませんから、日常動作、仕事で腰をかばって使うようになります。
結果、腰回りの筋肉は落ちて、腰の可動域も低下します。このような経緯から腰痛の再発を繰り返し、腰痛がたまたまでると、「また、ヘルニアがでた」と皆さん思います。
診断を受けなければ、椎間板ヘルニアの診断さえ受けなければ、こんなもったいないヘルニア人生を送らなくてもよかったはずです。
スポーツも仕事も思うように、やりたいようにできたはずですが、腰のヘルニアを持っているばかりに、あきらめた方の何と多いことでしょう。

ここでもう一度確認しておきます。
椎間板ヘルニアは痛みもしびれもだしません。別の問題で痛み、しびれを発生しているのです。
何よりの証拠にアメリカでは腰痛患者さんのレントゲン検査はおこないません。一般的な腰痛患者(腰痛の85%を占める非特異性腰痛)にはレントゲン撮影、MRI検査はおこなわないどころか、検査をやってはいけないと強く推奨されています。
椎間板ヘルニアで問題となるとすれば、運動神経の圧迫による下肢の筋肉の筋力低下が発生することです。足首の背屈がやりにくくなり、つま先立ちができにくくなったり、足首を背屈させてのかかと歩きが、やりづらくなることです。この症状が腰椎椎間板ヘルニアの症状の本体です。
けっして、痛み、しびれはヘルニアからおこっているのではありません。
別の問題で痛み、しびれが発生しているのです。

この別の問題を解決することが、腰痛の改善につながります。

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神経圧迫では神経のエネルギーに変化はない

米国ナショナル・カイロ大学で行われた実験があります。実験は犬を使った動物実験です。犬の脊椎を動かして椎間孔を狭窄させて神経を圧迫させ、そのときの神経の伝達速度の変化をみる実験です。

最終的には脊椎が脱臼するまで動かしましたが、神経の伝達速度には変化がなかったという結果がでました。神経の伝達速度には変化はありませんでしたが、椎間孔から出ている脈管系の循環障害が確認されました。

椎間孔から出ている組織は神経だけではなく、動脈、静脈、リンパなどがあります。神経の占める割合は1/3くらいです。椎間孔を狭窄しても神経を挟み込むようなことはないようです。

それよりも、脈管系は圧力に弱く特に静脈は顕著に反応するとされています。静脈に変形をもたらす力は、5~15mmhg(A4用紙を2メートルの高さから落下した圧力)くらいだそうです。

したがって、脊椎の動きによる椎間孔の狭窄からの神経圧迫による神経的なエネルギーの遮断はないようです。それよりも、脈管系の循環障害による神経組織の酸素不足による浮腫などが発生すると考えられます。

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腰痛治療の大前提

当院の腰痛(椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症、腰椎分離症、すべり症、変形性腰痛症などのすべての腰痛症を腰痛という)の考え方は、一般的な整形外科、整骨院当の腰痛を取り扱っている診療所とはまったく異なっています。例えば整形外科が椎間板ヘルニアは痛みしびれを発生させるという考え方は、一般的な整形外科では当たり前です。しかし、当院の考え方はこのサイトで解説しているように痛み、しびれは椎間板ヘルニアは発生させないという真反対の考え方です。そしてこの考え方で治療をおこなっています。整形外科が右だとすれば、当院は左です。それほど腰痛に対するあらゆる考え方が異なります。180度考え方が違っています。

患者の皆様は、大きな病院の整形外科医師の最新の画像検査機器を使った診断は、けっして間違えないと誰しも思われることでしょう。しかも小さな個人整骨院の検査機器も無いところの院長の話など、採るに足りない考えと思われるのも無理もありません。
しかし、現況はどうでしょう?腰痛患者2,800万人といわれ、ますます増加の一途です。MRIなどの高度な検査機器を駆使して、30年前とは比べようもない高度な医療技術を駆使して手術をおこなっても、治療成績はまったく変わってはいません。腰痛難民は増えるばかりです。大病院でおこなわれている腰痛診断、腰痛治療は根本的な問題を解決しない限り、腰痛患者が減ることはないと考えます。

今、世界中から腰痛に関した新しい考え方がどんどん入ってきています。今現在一般的な整形外科で採用している腰痛概念とは、まったく異なった考え方です。腰痛先進国では椎間板ヘルニアは痛みもしびれも出さないということが、当たり前になりつつあります。

当院も早くからこの考え方で治療をおこなっています。以前の古典的腰痛モデルを採用して治療をおこなっていた頃から見ると、治療成績、結果には歴然とした差が出ています。ひとりでも多くの方がつらい腰痛人生を送ることなく、また腰痛人生を送っている方は、一刻も早く腰痛人生を卒業されることを願ってやみません。

当院の腰痛に対する考え方、またこの考え方に沿っておこなっている腰痛治療の4つの前提をまとめてみました。この4つの前提をご理解いただくことにより、当院の腰痛、そして腰痛治療に対する考え方がより深くご理解いただけます。

大前提 1

痛み、しびれは筋肉、靭帯などの軟部組織が発生源である

痛み、しびれの発生源はどこでしょうか?
腰椎(背骨)、椎間板、などの骨格系を形成する構成物でしょうか?骨格、骨は体を支える支持組織です。この支持組織である骨に痛みのセンサーはありません。もし骨に痛みの神経が入っていたら、骨折したら神経も一緒に切断してしまいます。そして骨折部より先は何も感じなくなり、二度と動くこともできなくなってしまうでしょう。しかし、骨折しても骨折部より先は感覚もあるし、動きます。この事実が証明していることは、骨には神経が無いという何よりの証明です。骨折して痛いのは、骨折部位の周辺の軟部組織、筋肉靭帯にある痛みのセンサーにスイッチが入りその情報は上向して脳まで届き、脳が痛みとして認識しているのです。もう一度確認します。骨そのものは、痛みはでません。痛み、しびれの発生源は筋肉・靭帯などの軟部組織です。

大前提 2

脊柱を作っている24個の背骨は痛みもしびれも出さないということがわかっているので、腰の病名は付ける必要が無いばかりか、付けてはいけない

症状によって分けるべきです。

腰椎椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症、腰椎分離症、腰椎すべり症、変形性腰痛症など今までは、レントゲン検査やMRI画像検査をおこなって、腰の5つの椎骨がどのような状態になっているかにより、診断名を付けてきました。その診断名により、治療をおこなっています。診断する先生により場合によっては診断名が異なり、そのため、病院を次々と替える渡り患者さんが多く発生しています。あくまでも背骨のみの状態を対象にして診断をおこなっていいます。しかし今後は、診断は悪性か良性かの選択をおこなって、悪性とは命にかかわるか、重篤な後遺症を残す場合、今後歩行困難などの運動障害が進むと予測される場合は悪性と考えます。それ以外はすべて良性ということになります。良性の腰痛は必ず回復します。治ります。

大前提 3

腰痛は全体のバランスの崩れがたまたま腰痛になって出ている

骨は痛みを出さないことがわかりました。ということは筋肉、靭帯などの軟部組織が痛みを発生させる大本です。不良姿勢、偏った体の使い方により、この筋肉、靭帯の負担をかけているため、初めは疲労感程度だったものが、耐えきれなくなり、発痛物質を出し脳で痛みとして感じてしまうのです。結果、腰痛が発生したり下肢痛が出たり、おしりの痛みになったりしているのです。治療は体全体のバランスを取ることから始まります。きちんと立てていたり、座っていることができるようになります。

大前提 4

なぜ筋肉が緊張するのか?

私たち人間は、地球上では常に1Gという重力を受けて、動いています。この重力を受けて動けるのは、骨組織があるからです。骨で体を支えて、筋肉で骨を動かして、移動したり動いています。骨は体を支える支持組織、筋肉は骨を動かす出力組織です。筋肉は曲げたり伸ばしたり、動的な仕事をしているのですが、例えば事務仕事でパソコンを長時間打っているなど、静的な仕事は苦手です。すぐに疲労物資手を放散して、凝った、張った、痛いと悲鳴をあげます。あまりにもつらくなると、そこで凝った筋肉をマッサージしたり揉んだりすることになります。しかしその場では一時楽にはなりますが、またすぐに凝り始めます。この繰り返しで、定期的に治療を受けている方もたいへん多くいます。ではなぜこの悪循環を解消できないのでしょうか?筋肉の凝るような静的な仕事に付いている方は、ずっととこのような体の変調をがまんしなければならないのでしょうか?

この悪循環を抜け出すためには、簡単ではありませんが、可能です。

まず、治療により体の中心(センター=核)、東洋医学では丹田といわれるからだの中心に、体のバランスを合わせます。丹田そのものはお腹の中にあり、触ることも、ここですと指し示すこともできません。この辺りかなと意識することくらいしかできません。しかし体のバランスを、このセンターをに合った状態には治療ですることができます。バランスがあった状態は骨でしっかりと立つことができ、全身の筋肉が脱力し、呼吸もスムースになり腹の座った状態になります。たいへん気持ちの良い感じが味わえます。このような状態を治療により何回か経験していただくと、これが丹田が体のセンターと一致した状態ということが、体でわかってきます。良い姿勢はあたりまえに獲得でき、不良姿勢はできなくなり、すぐに体の違和感を感じ、体がセンターを求めるようになります。ここまでくればもう卒業です。からだの違和感から解放されます。

このセンター=核=丹田(下丹田)を獲得できれば一生の財産です。何よりも体が健康になり、心も安定してきます。運も向いてくることでしょう。人生が開けます。ぜひいっしょに丹田を獲得しましょう。

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腰痛とストレス

最近、整形外科の取り扱う筋骨格疾患においても「腰痛はストレスが引き起こす」ということがいわれています。今までの考え方からすれば、あくまでも腰痛は腰の骨や筋肉の器質的(機械的)な問題であり、物質的な問題という考え方で長年診断、治療してきました。しかし「腰痛はストレス」という考え方は肉の塊、骨の集まりという物質的な問題ではなく、ストレスという目に見えない非物質が腰痛の原因であるという考え方をするようになってきています。残念ながらこのような考え方は認められつつありますが、医科では保険診療の壁があり、到底できません。また臨床に携わっておられる整形外科の先生方はけっして認められないでしょう。

ストレスとは?

ストレスとはどのような状態のことをいうのでしょうか?一般的な成書に書かれているストレスの説明は、何となく分かったような、分からないような説明が多く、なかなか腑に落ちる説明は少ないようです。
そもそもストレスとは金属疲労の事です。鋼という金属は、ある一定以下の圧であれば、何万回でも跳ね返します。しかし普通の鉄やアルミニューム、ジュラルミンは圧を繰り返し掛ければ、やがて少しずつ金属疲労がでて、折れ曲がったり、割れたりしてしまいます。これが金属疲労というもので、英語でストレス(stress)と言います。

ストレスとは「思いどおりにならないこと」

この金属疲労の状態を人に当てはめて、ストレスを抱えているとか、ストレス発散するというような表現を使っています。悩み・苦しみというようにはっきりとした自覚はないのだけれども、精神的にいつも重圧を感じている、これをストレスと言います。
実は人間は悩み・苦しみというはっきりとした自覚症状がなくても、潜在意識の中で重圧を感じ、圧力を感じ、重苦しいとか感じながら生きている場合があります。これがストレスです。
はっきりした自覚症状がないにしても、何となくいつも何かに追われ、何かに押さえつけられているような感じです。ひと言でいうと、ストレスとは「思いどおりにならないこと」から始まります。

心身の問題はすべてストレスから

ストレスを放置しておくとどのようになるでしょう。ストレスが増加しいつも「疲れた、疲れた」が口癖になり、このような状況を疲労が溜まったといいます。疲労は寝ても治りません。疲労は睡眠不足とは違います。睡眠不足は寝ればとれるのですが、疲労は寝てもとれません。もとがストレスだからです。
ストレスを放置しておくと、疲労になり、疲労を放置しておくと、筋肉の凝り、張り、痛み、しびれという病的症状につながります。凝り、張り、痛み、しびれ、を放置しておくと、内臓臓器の故障になります。これを病気といいます。臓器の故障までは修復できますが、そのあとに臓器の停止というものがどこかにおきます。臓器が機能を停止する、これを「死」といいます。五臓六腑どれか一つでも機能停止した場合には、人は生きていくことができません。心臓は動いているけれども、肺が機能停止してしまった、あるいは肝臓が機能停止してしまったとういような事態は他の臓器が働いていても、人間は生きてくことができません。つまり臓器の停止は死を意味します。

一番初めはストレス

ストレス ⇒ 疲労 ⇒ 凝り、張り痛み・しびれ ⇒ 臓器の故障(病気)⇒ 死
一番最初の「ストレス」から二番目の「疲労」、三番目の「凝り、張り、痛み、しびれ」、四番目の「臓器の故障=病気」、五番目の「死」に至るまで、必ず順番どおりに進みます。一から三とか、二から五に飛んだりしません。必ず一番から五番まで順番どおりの過程をたどります。つまり一番最初の問題は「ストレス」です。これでお分かりいただけましたか。「腰痛はストレスから」ということが、腰痛だけではありません。身体のいろいろな部位に発現する痛み、しびれ、凝り、張りはすべて始まりは「ストレス」からです。

「思いどおりにならないことを自分で自覚し、それをずうっと持ち続けながら、重苦しい日々を送る」これがストレスです

では、思いどおりにならないことを引きずらないためにはどのようにすればよいのでしょう?
「○○をして、ストレスを解消しましょう。ストレス発散しましょう。」
この○○には例えばスポーツ、美味しいものを食べる、旅行をするなど楽しいことを、やりたいことをするという行為の言葉が当てはまります。しかし単にやりたいゴルフができなくて、それがストレスになっていたが、ゴルフをやった、行きたかった海外旅行に行けないことがストレスになっていたが、行きたい海外旅行に行けた。しかし、ゴルフをやろうが海外旅行に行こうが、結局はストレスの解消にはなってはいません。むしろまたゴルフをやりたくて、また違うところに出かけたくて、ストレスは増すばかりです。更なる欲求が湧いてきて、思うようにならないストレスがたまるばかりです。できないことができても、ストレスは解消されません。
一つかなっても、また次から次へと、思いどおりにならないことがでてきます。
この世の中、何一つ思いどおりになることはありません。また人間の欲求はこれでいいということはありません。常に思い通りにならない重苦しさを何となく感じて、毎日生活しているのが人間ではないでしょうか。これがストレスの本体です。
思いどおりにならないことを引きずらないためには、人生思いどおりならないものと決めて自覚することです。思いがかなえばより結構、思いがかなわなくても結構と決めてかかることです。

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長年の腰痛から解放されて成功例のお話

特集:「なぜ治るのか?なぜ治らないのか?」

私たち柔整師は、腰痛、肩痛、膝痛など運動器疾患のある患者さんの治療を毎日行っています。長年治療をしていと、治る人もあれば治らない人もあります。何でこの患者さんは治ったのにこの患者さんは治らないのだろうと思ったことはありませんか?治療家なら常日頃思われることでしょう。治せないのは私の腕が悪いのだからと、新しい手技を習いに東京まで通っている先生も多いことと思います。しかしいくら新たな知識技術を身に着けて患者さん相手に練習して腕を上げても、やはり治らない治せない患者さんは出てきます。腕が上がって評判になる程、難しい患者さんが来院され、ますます治らない治せない患者さんが増えるばかりで、悩みが深くなるばかりです。今回の特集は来院される患者さんの主訴で圧倒的に多い腰痛を取り上げ、「なぜ治る、なぜ治らない」というテーマで掘り下げてみます。悩み多き先生方の少しでもお役に立てれば幸いです。

腰痛放浪記(長年の腰痛から解放されたSさんのお話)

サスペンス作家の女王夏樹静子さんの書いた「腰痛放浪記」副題は「椅子が怖い」という文庫本があります。夏樹さん自身の腰痛体験記ですが、腰痛治療のヒントがたくさん隠れており、治療家なら一度は読まれてみる価値のある本です。今号に登場してもらったSさんの腰痛放浪記は、夏樹さん同様、いかに腰痛で苦難の時期を過ごしたか、ノンフィクションですが、似たような話はいくらでもあります。何で治らないのか?またどうしたら治るのか?また治るとはどういうことか?を本号で考えてみたいと思います。私たち柔整のところにも、この話に登場していただいたSさんのような腰痛持ちの方は来院されますから、参考になると思います。少し長文ですが精読ください。

Sさんの腰痛放浪記
手術前の経過

登場していただく患者さんはSさんとしましょう。Sさんは現在50歳、若い時から病院で腰のヘルニアがあるといわれていました。42歳の頃、腰痛が再発し、病院に行き検査を受けました。MRI画像を診た整形外科の先生から説明を受けたSさんは愕然としました。確かにつぶれて後ろ側に飛び出した椎間板の中身が脊髄に食い込んでいました。画像診断のイメージは強力です。
「症状がひどくなれば、将来は手術も考えてください」という先生の説明に目の前が真っ暗になり、将来の不安と闘う毎日を過ごしてきました。重たいものは持たない。夜は横向きで背中を丸くして就寝しました。日常生活でもなるべく腰を反らせないように気を付けて背中を丸くして、針のむしろに座るような生活を続けていました。スポーツは大好きで、特にゴルフは何よりのストレス解消でした。しかしヘルニア持ちが腰を思いっきり捻るゴルフなんてもっての外と思い、ゴルフは完全に封印しました。やがて筋力も低下し体力も落ちて、奥さんからは猫背になったといわれ、腰痛は再発を繰り返し右下肢痛としびれがだんだんひどくなり5年前に手術を受けました。

手術後の経過

手術後は一時的には症状も軽くなり喜んでいたのですが、数カ月も経過しないうちに、また同じような症状が出てきました。痛み止めの飲み薬と座薬は手放せなくなり、この責苦はこのまま一生涯続くように思われて、精神的にもかなり参った状態に陥りました。病院では心療内科を受診するようになってしまいました。今までの痛み止めの薬のほか、睡眠剤や安定剤も服用したそうです。しかし症状は悪化するばかりで、食事中も痛みで座っていることができなくなり、満足に食事も取れなくなりました。

再手術とその後

病院の先生の勧めもあり、思い切って再手術をしました。術後のMRIの画像写真はきれいになっており、今度こそ良くなるという期待でリハビリをがんばりました。しかし、再発の不安から腰を動かさない生活に戻っていました。腰をいたわって歩くときにも腰に負担のかからないように前かがみになり歩幅をせまくしていました。背中、腰、お尻の筋肉は常に張って重だるく、いつ腰痛がでてもおかしくないような体調でした。
そんな時、親しい友人の勧めもあり、他の治療を受けてみようと、接骨院、整体、カイロプラクティックなどドクターショッピングを繰り返してきました。施術を受けた時はいいのですが、しばらくすると同様な症状の繰り返しでした。

長年の腰痛からの解放

病院の先生に真剣に訴えたところリハビリ病院を紹介してくれました。紹介先の病院では、今までとはまったく正反対の説明を受け、今までやってはいけないと言われてきた動作や運動を指導されました。この病院の整形外科から、すでに椎間板ヘルニアは完全に治っていることをはっきりと説明を受けたのです。理学療法士の先生から、マッケンジー体操を指導され、「腰を反らしても大丈夫なばかりか、反らした方がむしろ良い、反らして痛いのは反れないから痛い、じゃー反らしましょう」という説明を受けて腹這い反り起き体操を、自宅でも毎日取り組みました。結果、腰の柔軟性が増し、体幹の可動域も増えました。姿勢にも変化がでてきました。腰を反らせて胸を張って立つことができるようになったのです。また「走ってもいいですよ。大好きなゴルフも再開してください」と病院の先生から指導を受け「安静にしている必要はありません。積極的に行動してください」という言葉に励まされ、奥さん任せにしていた家事や庭仕事も進んでやるようになりました。
体の変化はSさんの気持ちまで良い変化をもたらしてしまいました。ゴルフも再開し、一か月に一二回はやれるまで回復しました。現在は、長年苦しんだ腰痛とも完全ではないながらも、うまく付き合って腰痛をコントロールできた生活をおくられるようになりました。

Sさんの腰痛放浪記の要点整理

Sさんはどうして長年の腰痛から解放されたのでしょうか?要点をまとめてみます。

  1. 腰のヘルニアは完全に治っているという医師のしっかりとした説明。
  2. ヘルニアに対する考え方が変わってきたこと、ヘルニアの概念が変わってきたことにより治療法も変わってきていることの説明を受け、今まででしたらヘルニアの常識のように考えられてきたことが、医学知識の進歩で実は間違っていたことに気づき納得した。
  3. 病院任せにしないで、自分でも積極的に指導を受けた体操を自宅でもおこなった。
  4. 結果、腰部の柔軟性も増して、しっかり腰を起こした良い姿勢を獲得した。
  5. 大好きなゴルフも再開しゴルフを楽しみストレス解消ができて行動も積極的になり、気持ちまで良い変化をもたらした。
  6. 腰痛はたいした事はなく、たとえ腰痛が出たとしても心配しなくなった。

要点を整理してみました。何も特別高度な治療法で治った訳ではありません。
要点 1. ~ 6.までの補足して解説しました。

1. と 2. の補足説明

Sさんは二回もヘルニアの手術を受けています。一回目の手術後の医師の説明で「手術は完全におこなったので、今後は腰痛の心配は無用ですよ」とこのくらい自信を持った説明をして太鼓判でも押してくれていたら、おそらくこの時点で、Sさんは腰痛から解放されていたはずです。しかし手術を担当した医師は伏線を張って、「下肢の痛みやしびれは残るかもしれませんよ」とこのような逃げ道を先に作ったような印象の説明だったそうです。

昨年は腰痛診療指針も上奏され、各新聞にも腰痛特集で取り上げられ、腰痛の概念が大きく変わろうとしています。

古典的腰痛モデル

1934年MixterとBaarが腰痛や下肢痛の主なる原因として「椎間坂ヘルニア」を提唱し、椎間板ヘルニアは腰椎疾患の代表的な原因のように取り扱われるようになりました。最新の解剖書でさえ「ヘルニアが神経根を圧迫して痛みや麻痺を引き起こす」と記載され続けています。元来運動と感覚の混合神経である神経根が骨棘や突出した髄核により圧迫されることで麻痺は起こらず痛みだけが発現するという症状に対しては説明ができません。このような矛盾点はおかしいと感じながら、成書に当たり前に記載されていることだからと、また当代一流の執筆陣がそのように書くのだから間違えが無いと誰しも思ってきたのです。

ヘルニア呪縛

腰下肢痛があって病院にかかり、レントゲンやMRIでヘルニア画像を見せつけられた患者さんは、これが神経を圧迫しているから痛みが出ているという説明を受け、ヘルニアの呪縛にかかってしまいます。医療提供サイドがこのヘルニア呪縛から解放されない限り、素人の患者さんはよりひどい呪縛にがんじがらめになり、かくしてヘルニア人生を送ることになってしまったのです。ヘルニアがあっても痛みの出ない無痛性ヘルニアはどう説明しますか?先日NHKのクローズアップ現代で腰痛を取り上げていました。あるデータによると日本人成人の約4割はヘルニアを持っているということが紹介されていました。たまたま腰下肢痛がでて病院でMRIを撮ってヘルニアの診断をされてしまうのです。別の問題で腰下肢痛がでていると考えることで、正しいアプローチができます。椎間板ヘルニア、すべり症、分離症、狭窄症、変形性腰痛症すべて腰の骨5節のみを問題にしてきた長長年の腰痛の概念を変える時期にきています。

2007年の米国内科学会(ACP)と米国疼痛学会(APS)の診療指針

ACPとAPSは患者の分類、画像検査、患者教育、自己治療、薬物治療と非薬物治療に関するガイドラインを出しました。その中で85%を占めるという非特異的腰痛の患者に対しては、X線、CTスキャン、MRIなどの画像検査やその他の診断用検査を慣例的に実施してはいけないと強く推奨し、こうした検査は神経脱落症状が重傷または進行する患者か、癌や感染症などの腰痛の原因疾患が疑われる患者の場合に限って実施すべきであるとしています。このことは何を意味するかといえば、腰痛においての画像診断のエビデンスの低さを物語っているのです。

日本版腰痛診療指針

日本でも海外からの情報が入ってくるに従って、厚労省の指示で腰痛の大規模疫学調査が行われ、その結果は先進諸国で出されている腰痛ガイドラインとほとんど同じ結果がでました。ようやく2012年11月に国内初の腰痛診療ガイドラインが上奏されました。新潟日報にも昨年の暮れも押し迫った12月31日に掲載されてようやく県民の知るところとなりました。日本整形外科学会と日本腰痛学会は腰痛の発症や慢性化には心理的なストレスが関与しており、画像検査などでも原因が特定できない腰痛が大半を占めるとの診療ガイドライン(診療指針)をまとめました。

新聞に掲載された腰痛ガイドライン

“重篤な脊椎疾患の兆候が無い限り、すべての患者に画像検査をする必要はないとしている。腰痛があればまずエックス線で骨や神経の異常がないか調べる現在の診療の在り方が変わりそうだ。”
また、「思い込ませは逆効果」という小見出しで、指針の策定委員会のメンバーである福島県立医大の矢吹昇司教授(整形外科)の話を紹介します。
“患者が望むこともあり、現状では約8割で画像検査をするが、痛むからといって画像で原因が分かることはじつは多くない。単に加齢で起きている骨や神経の変化を画像で患者に示して「だから症状が悪いんだ」と思い込ませるのは逆効果だ。深刻に考えすぎて安静にするよりは、体を動かしたほうが症状が軽くなる可能性が高い”

このコメントは今までの診療のやりかたがまちがっていた。まちがった考え方で診療してきたため腰痛難民を作ってきたということです。逆効果とまで言わしめたところに、今回の腰痛指針を上奏した目的が表れています。

3. と 4. の補足説明

最近、病院で腰痛のリハビリ体操に、マケンジーエクササイズを取り入れている医療機関が多くなってきています。私の弟はリハビリ病院の理学療法士をしているのですが、マッケンジー体操を指導しているそうです。ロビン・マッケンジーはニュージーランドの理学療法師で、国際マッケンジー協会初代会長として活躍され、世界中にこのマッケンジー法を広めました。20年位前にカイロプラクティックの団体が日本に招聘して初来日しています。話は少し余談になりますが、この時の講習会の通訳が当院発行している新聞の広告をお願いしている仲井康二先生でした。カイロの団体が招聘した関係上、このマッケンジー法はカイロプラクターに広まっていきました。ちなみに仲井先生の通年シリーズセミナーでは腰痛治療の有効な治療法として、マッケンジー法を必ず教授しています。医師の間にも広がり国際マッケンジー協会日本支部もでき、整形外科医では穴吹弘毅先生が平成18年にカイロプラクティック徒手医学会で「マッケンジー法を用いた腰椎椎間板ヘルニアの効果」を発表し、その年の最優秀学会賞を受賞しています。話は横道にそれました。戻します。

マッケンジー体操で獲得した良い姿勢

Sさんは腹這い反り起き体操を自宅でも日課にして繰り返し行いました。結果、腰椎の5節の前彎が少しずつ回復したのです。以前はなるべく腰を反らせないようにしてきたため腰背筋が常に緊張を強いられ、腰部の後屈はほとんどできない状態でした。マッケンジー理論が出てくるまでは、長年ウィリアム理論が当たり前で、後屈より前屈運動を指導していました。腰が痛いときは背中を丸くして横になって休んでいてくださいと説明を受けていたので無理もありません。皆さんも未だにこのような説明を患者さんにされている先生も多いと思います。理学療法の神様と呼ばれたロビン・マッケンジーが「カイロプラクターやオステオパスが貢献してきたことは、唯一人の脊柱を後方から前方に向けて押してきたことだけだ」と前述の仲井先生に多少皮肉を込めた言葉でいったそうです。しかし仲井先生はそれで脊柱の湾曲の大きさを調整してきたらとしたら、人間に対してすばらしい貢献をしてきたのだと話されていました。

良い姿勢とは

最近、整形外科でも姿勢指導するようです。NHK、Eテレ「今日の健康」の腰痛特集には理学療法士の先生が登場されて姿勢指導をしています。巷でも姿勢教室などのセミナーが受講生を集めています。ようやく世間一般に良い姿勢は大切ですということが浸透してきているようです。そもそも日本人は昔から姿勢に対するこだわりがありました。私は現在58歳ですが、子供の頃は親父にうるさく姿勢を注意されたものです。学校でもそうでした。先生から姿勢を正してという言葉をしょっちゅう聞いた覚えがあります。年配の先生方なら記憶されていると思います。今では学校では姿勢に対する注意は皆無です。学校から帰ればゲームをやるにしろ勉強をやるにしろ、背中を丸くして熱中しています。今や姿勢を正すことを強く指導するところは、書道や茶道、華道、武道など日本の古くからある芸事ぐらいでしょうか。そもそも今どきの家は畳の部屋はほとんどなく、洋式のフローリングの部屋ばかりです。正座をする部屋もありません。正座は良い姿勢を獲得するもっとと手っ取り早い方法です。あぐらで座っている姿勢を思い浮かべてみてください。横から見ると脊柱全体がCの字型になり不良姿勢の典型的な姿勢です。骨盤は後傾し腰椎の前彎は消失します。他方、正座は骨盤を起こし(前傾)腰椎は前彎し胸椎は後彎、頸椎は前彎する(横から見るとS字が2つ連なった)理想の良い姿勢になります。ご老人の中には整形外科で、正座は膝によくないから正座をしないように指導を受けて、正座をすると膝が悪くなるといった思い違いをされている方が多く見受けられます。正座をすればするほど下肢の軸は揃ってきます。下腿の外旋が正座により正され、もちろん良い姿勢も身に付きますから、大腿骨の頸体角も年齢に関係なくなり、膝痛からも解放されます。ぜひ患者さんに姿勢指導してみてください。正座もお薦めください。

良い姿勢のメリット

姿勢のアライアメントに関して、骨は体を支える仕事をし、筋肉は骨を動かす仕事をしています。つまるところ筋肉に支える仕事をさせていることが問題です。筋肉は伸ばしたり曲げたりが仕事です。じっとして緊張し続けることは苦手です。不良姿勢は筋肉に負荷をかけ続けてしまうのです。だから筋肉が悲鳴を上げてしまうのです。筋肉のアプローチとしての、患者さんへの姿勢指導は腰痛肩こりなどの運動器疾患の大切な治療法の一つです。

正しい姿勢を身に付ける

姿勢は「姿」の「勢い」と書くように、人間の内面を映し出す鏡です。姿勢と心は密接に関係していて、元気でやる気に満ちているときは背筋が伸びて明るい表情になります。しかし、悩んでいる時や失敗してしまった時などは、間違いなく肩が落ちて背中を丸くしたうなだれた姿勢になります。正しい姿勢は集中力や意欲の向上につながり、物事へ臨む姿勢も変わります。筋肉の血流を改善させ、呼吸も安定させます。また姿勢を正すことにより声の通りもよくなり、はつらつとした印象を周囲に与え、人から好印象を持たれます。Sさんも姿勢が良くなったことにより、奥さん任せにしていた家事や庭の手入れなども積極的にやるようになりました。おっくうがっていた日常生活態度にも好変化をもたらしました。心身一如です。心身相関的症状の因果関係が、絡まった糸をほぐすように、ここまでいい条件が揃ってくると腰痛も治って当然という状況です。

5. と 6. の補足説明

前述の新聞に掲載された腰痛ガイドラインの大見出しは「腰痛にストレス関与」です。“非特異的腰痛はいわゆるぎっくり腰やストレスが原因となっているものを含み、全体の85%を占めるという研究がある。非特異的腰痛は職場での人間関係や仕事量の多さ、仕事上の不満、うつ状態など心理社会的要因が関与していると指摘、ストレスを軽減させるためにものの考え方を変える認知行動療法などの精神医学療法が有効だとした”今までの腰痛の考えは、人の体を骨の集まり肉のかたまりとしてみた生物構造学的腰痛モデルでした。しかし人は心を持った人間として生きているのだから、その人を取りまく環境までを考慮して腰痛を考えましょうという心理社会的腰痛モデルとして腰痛をとらえていく必要があります。私たちを取り巻く社会環境は複雑さを増し、生きにくいストレス社会と変わってきています。紹介した新聞の内容にも精神医学療法が有効となり、整形外科と心療内科が一緒に腰痛を診る時代にきています。実際にそのような診療体制を作って効果を上げている診療機関も多くなっています。複雑化している社会環境から受けるストレスは避けようがありません。しかし今の時代は楽しみも多様化して、いろいろな趣味やスポーツを楽しむことができる時代です。ストレスと楽しみのバランスがとれた状態が理想です。何も心療内科やカウンセリングを受けることもありません。柔整は毎日患者さんのお話をよく聞いてあげていますから。Sさんはゴルフが大好きでした。悪化するヘルニアのためゴルフを封印してしまったことによりストレス解消をできなくなって、ますます症状を悪化させていたのです。腰部の可動域が増すことでゴルフも再開し、ストレスも解消していったのです。ゴルフができたことにより、自信にもつながり積極的に行動するようになっていき悪循環と断ち切り、好循環の流れに入って腰痛から解放されたのです。今ではたまに腰痛が出ても予後を不安に感じることがなくなり、痛みがあってもできるだけ日常生活を続けることで、仕事を休むことはなくなりました。

まとめ

Sさんの腰痛放浪記は特別な症例ではありません。腰痛人口2,800万人といわれていますが、減るどころか増えるばかりです。これだけ医療が発達してきているのに腰痛人口の少しくらいは減ってもよいはずです。今回上奏された本邦初の腰痛ガイドラインは、これから未来の腰痛指針です。整形外科の治療だけが特別高度な診療(レントゲン、MRI検査)を行っていて、私たち柔整が医業類似行為という立場から法律的に医療から離れた立場に置かれてきました。しかし今後は柔整診療こそ腰痛治療の中心となっていくべき立場にあると考えられます。患者さんにいつも寄り添い話をよく聞き励まし、温か味のある手技を使って治療し、患者さんに信頼、安心、満足を感じてもらえる柔整施術こそ、これから求められる医療です。非特異性腰痛は私たち柔整が取り組む病態です。レントゲンやMRIは必要が無いばかりか、画像診断こそ治らない原因とまで考えられてきているのですから。医療サイドが変われば腰痛難民も減少していくはずです。

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2種類の慢性腰痛

慢性腰痛は2つに大きく分けることができます。

(1)再発性腰痛
(2)持続性腰痛

まず、慢性腰痛患者さんは2/3に他の慢性症状を合併し、1/3に精神疾患や薬物乱用の問題を抱えているという報告があります。つまり慢性腰痛は単独の「腰の病気」と捉えるのではなく、慢性腰痛は「不健康」という全体像の一部として捉えることがたいせつです。

(1)再発性腰痛

患者さんで「先生、また出ました」といって年に数回ご来院される方がおられます。このような腰痛も成書では慢性腰痛として分類されています。しかし、治療は急性腰痛の治療をおこなって、良い結果が出ています。年に1回や2回程度の腰痛発生頻度なら、いたし方無いと感じています。

(2)持続性腰痛

しかしこの持続性腰痛は問題です。
数週間から3か月以上、持続的に腰の痛みをかかえている状態です。
持続性腰痛を抱えて難渋されている患者さんは、持続する痛みに対しての不安や苦悩が常にあります。さらに自分のこの辛い腰痛に対しての周囲の無理解を怒ったり、絶望的になっていることです。「腰痛はストレスから」といわれるように、その患者さんを取り巻く環境、家庭や職場でのストレスが深く係っているということです。しかもストレスは意識しているストレスと意識していないストレスがあります。はっきりストレスと認識できる問題として、家庭の問題、親の介護の問題、子供の就学の問題、会社での職場環境の問題、勤め先での人間関係などがあります。ストレスとして患者さん本人が認識できるストレスは、解消できやすいのですが、問題は意識していないストレスの場合が多いということです。本人が気づかないうちに、体が緊張して、腰痛の元になっている場合です。現代社会はストレス社会といわれ、ストレスは当たり前の時代です。 ストレスを長期間受け続ければ交感神経優位に状態に常時さらされ、肩こり、腰痛、神経痛は元より、腹痛、胃潰瘍、不眠、心身症などありとあらゆる病気になってしまっても、少しも不思議ではありません。このような方は慢性腰痛になっても、あたりまえです。腰痛が出るべくして出ているのです。

このような状況になって慢性腰痛を引きずっている人の経過は、このように患者さん自身の有しているさまざまな因子と病態の内容で、決定されるといっても過言ではありません。当院では患者さんの予後を変えていくものは、患者さんの腰痛に負けない意欲と腰痛に対する適応力を上げるための手伝いができればと考えています。正しい腰痛知識と情報を提供し、最後まで患者さんに諦めないがんばりに寄り添っていきます。

嬉し・楽し・幸せ と思っていただける治療・施術を

1984年開院以来、30年にわたって培った臨床実績、
幅広い知識、手技技術をもとに最良の治療施術を提供しています。