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どんな治療・施術

なぜ治る?なぜ治らない?
開院38年を迎えて

2022年9月で38年を迎えました。
治療家としてつらい立場の患者さんの少しでもお役に立てればとの思いで、治療家人生を送ってきました。

治らない患者さんも多く、つらい思い出として患者さんのお顔が浮かんできます。なぜ治らない?なぜ治る?のか、常に治療家として、考え続けてきました。今現在もこの思いは持ち続けています。

まだ途中ですが、今現在たどり着いた
「なぜ治る、なぜ治らない」の原因について、記述してみます。

以下の記述は私が長年にわたり、収集してきた医療情報、医療知識及び習得してきた手技療法に関する多くの知識、技術を自分流に噛み砕いて、実際に当院の患者さんに説明をし、おこなっている手技により得られた結果の集大成をまとめたものです。経験値的な私個人の見解です。

1部分から全体へ

当院は筋骨格系の専門院ですので、腰痛、肩こり、膝痛等の愁訴をお持ちの患者さんが毎日来院されています。特にライフワークとして「腰痛」を専門にしています。骨格系の治療施術をおこなう際に、腰痛がある無しにかかわらず、腰部の施術はどなたでもおこなっています。例え指一本の腱鞘炎であっても、腰部の施術は必ずおこないます。腰部は身体の中心です。センターをきちんと取ってあげることにより、手足末梢の問題は解決することがほとんどです。それほど腰部の治療施術は大切ですし、効果があります。つまり体の全体のバランスを整えることが筋骨格(機械的な障害)の治療です。

そのような診かたで治療施術を、まず行います。

急性の筋骨格(機械的)の障害は治りもたいへん良いのですが、慢性的な障害は別な診かたが必要になる場合があります。

2物質(体)と非物質(心)

人間という心身的存在の非物質的な側面、
心にも変化をおこさない限り、
物質的な干渉だけでは治癒に誘導できない


例えば、うつ病の患者さんに頭痛、胸通などの痛みの症状がある場合がありますが、うつ病の軽快によって消失することも知られています。心理療法(認知行動療法)では、痛みの治療をしなくても、うつのカウンセリングをして、うつが治れば、頭痛、胸痛も消失することがあります。薬で治らなかった片頭痛が呼吸法で治ることがあります。

機械的な障害に対して、非物質的なものが関係している場合です。つまり感情的なものです。例えば激しい怒り、罪悪感、体の病変部、障害部に集中する不安感などです。もうこの腰痛は治らないのではないか?一生付き合っていくしかないのか?というような信念に近いものです。また常に他人に対して自分は悪くない、他人が悪い、自分がこのようになったのも、他人のせい、社会のせいというような激しい怒り、気の弱い人は何か問題が起きるとすべて自分が悪い、悪いことをしてしまったと自分を責めてしまう人、このような信念に近い心持が、治ることをブロックしてしまっているのです。

3ネガティブ感情と信念

慢性的な腰痛患者さんは、このような信念を潜在的に抱えている人は多いように感じます。顕在意識では、つまり頭では何とか治るものであれば治りたいと常に思っています。しかし長年また腰痛の発生を繰り返し、なかば諦めに近い気持ちになっています。

怒り、不安、罪悪感などは、結局思うようにならないことへの怒りであり、思うようにならないことに対する不安であり、思うようにならないことに対する罪悪感です。思うようにならないことからすべてのネガティブ感情は生まれます。思うようにならないことはストレスになります。ストレスは思うようにならないことから始まります。

4 ストレスとは?

ストレスとはどのような状態のことをいうのでしょうか?
一般的な成書に書かれているストレスの説明は、何となく分かったような、分からないような説明が多く、なかなか腑に落ちる説明は少ないようです。

そもそもストレスとは金属疲労の事です。鋼という金属は、ある一定以下の圧であれば、何万回でも跳ね返します。しかし普通の鉄やアルミニューム、ジュラルミンは圧を繰り返し掛ければ、やがて少しずつ金属疲労がでて、折れ曲がったり、割れたりしてしまいます。これが金属疲労というもので、英語でストレス(stress)と言います。

5ストレスとは「思いどおりにならないこと」

この金属疲労の状態を人に当てはめて、ストレスを抱えているとか、ストレス発散するというような表現を使っています。悩み・苦しみというようにはっきりとした自覚はないのだけれども、精神的にいつも重圧を感じている、これをストレスと言います。実は人間は悩み・苦しみというはっきりとした自覚症状がなくても、潜在意識の中で重圧を感じ、圧力を感じ、重苦しいとか感じながら生きている場合があります。これがストレスです。

はっきりした自覚症状がないにしても、何となくいつも何かに追われ、何かに押さえつけられているような感じです。ひと言でいうと、ストレスとは「思いどおりにならないこと」から始まります。

6 心身の問題はすべてストレスから

ストレスを放置しておくとどのようになるでしょう。ストレスが増加しいつも「疲れた、疲れた」が口癖になり、このような状況を疲労が溜まったといいます。疲労は寝ても治りません。疲労は睡眠不足とは違います。睡眠不足は寝ればとれるのですが、疲労は寝てもとれません。もとがストレスだからです。

ストレスを放置しておくと、疲労になり、疲労を放置しておくと、筋肉の凝り、張り、痛み、しびれという病的症状につながります。凝り、張り、痛み、しびれ、を放置しておくと、内臓臓器の故障になります。これを病気といいます。臓器の故障までは修復できますが、そのあとに臓器の停止というものがどこかにおきます。臓器が機能を停止する、これを「死」といいます。五臓六腑どれか一つでも機能停止した場合には、人は生きていくことができません。心臓は動いているけれども、肺が機能停止してしまった、あるいは肝臓が機能停止してしまったとういような事態は他の臓器が働いていても、人間は生きてくことができません。つまり臓器の停止は死を意味します。

7腰痛はストレスから

一番最初の「ストレス」から二番目の「疲労」、三番目の「凝り、張り、痛み、しびれ」、四番目の「臓器の故障=病気」、五番目の「死」に至るまで、必ず順番どおりに進みます。一から三とか、二から五に飛んだりしません。必ず一番から五番まで順番どおりの過程をたどります。つまり一番最初の問題は「ストレス」です。これでお分かりいただけましたか、「腰痛はストレスから」ということが、腰痛だけではありません。身体のいろいろな部位に発現する痛み、しびれ、凝り、張りはすべて始まりは「ストレス」からです。

「思いどおりにならないことを自分で自覚し、それをずうっと持ち続けながら、重苦しい日々を送る」これがストレスです。

8ストレスと病気

「自分の思い通りにならない」ということを認識した瞬間にストレスとなり、血管が収縮します。それにより、毛細血管の隅々まで血液を届けようとして心臓の「圧」が上がります(血圧が上がる)。つまり「高血圧=ストレス」であり、「ストレス=高血圧」なのです。

毛細血管の先端には、大別すると「3種類の細胞」があります。1つは、「脳細胞」2つ目は、「臓器細胞」(五臓六腑)。臓器の中に細かい血管が張り巡らされていて、臓器が正常に働くように血液を送っています。3つ目は「筋肉」です。

そして「ストレス」を感じた瞬間に毛細血管が収縮し、3種類の細胞の中で、その人にとって「もっとも弱い細胞」にダメージを与えるのです。(どこが弱いかは、症状がでるまでわかりません。)

いちばん弱い細胞が「脳細胞」の人であれば、「脳細胞」がダメージを受け、「うつ状態」になります。たとえるなら「電線に電気が流れているのに、電線の先端にある豆電球にまで電気が届いていない状態」です。「ストレス」よって毛細血管が収縮し、脳細胞に血液が届かなくなると、「豆電球を灯せていない状態」になり、その状態を「暗い」といいます。

一方、「3種類の細胞」の中で、「臓器細胞」がいちばん弱い人は、「うつ状態」になるより前に、「病気」(臓器不全)になってしまいます。

9ストレスと自律神経

成書によるとストレスはある程度あった方が良いということが書かれています。ストレス状態は自律神経の交感神経が優位な状態です。心身共に緊張状態です。その反対に、副交感神経優位の状態は、心身共にリラックス状態です。人は朝、起きると今日の仕事があります。会社で今日はプレゼンがある、また大事な商談があるというような朝は交感神経が優位になり、いい仕事をするために緊張して、備えます。このような朝はプレゼンや商談がストレスになり、がんばろうという気持ちがストレスになります。成書によるとストレスがあるお蔭でいい仕事ができて、ストレスはある程度はあった方が良いというようなことがいわれています。しかし、毎日、毎朝このような緊張状態が続き、仕事が終わって帰宅して、本来なら副交感神経が優位になって「今日の商談はうまくいった」とビール片手にリラックスモードになれれば問題はありませんが、明日の重要な仕事を考えると、また緊張状態になります。心身症になり自ら命を絶たれる人の数はたいへん多くなってきています。結局毎日、心身ともに休まる暇もないというのが現代社会に生きている私たちの生活ではないでしょうか?ストレスなんて無い方がいいに決まっています。誰しもストレスの無い人生を送りたいと思っています。

10長いの臨床経験でわかったこと

人間という心身的存在の非物質的な側面、
心にも変化をおこさない限り、
物質的な干渉だけでは治癒に誘導できない


西洋医学という物質的な治療だけでは足りないように、東洋医学的なアプローチも重要です。心という目に見えない非物質にもアプローチすることで治癒を導く確率はずっと上がります。最後まで寄り添い、明るい言葉掛けをし、励ましながら治療をすすめていきます。

接骨院ってどんなとこ?

接骨院って?

私の家内がある会合の席で「あなたの旦那さんは接骨院しているんでしょ」といわれ、「接骨院ってどんなことするの?」と尋ねられたそうです。家内からそんな話を聞き、今の世の中、接骨院をよく知らない人が増えているのかと、心配になりました。

そもそも柔道整復師とは?自分の職種名が理解されない場合が発生しています。整体師は市民権を得て、堂々とテレビ等マスコミで自分の職種を名乗っているのに、柔整師は世間一般から、知られていません。自分の息子に堂々と「父ちゃんは柔道整復師だ」と名乗れません。特に若い世代はそのような傾向にあるのではないかという感じを抱いています。

接骨(整骨)院なんてどこも同じでしょ!

そもそも接骨院とはどのような時に行って、どのようなことをしてくれるところなのでしょうか?

ケガ(外傷)を治療してくれるところです。

接骨院は外傷治療が本業です。足首を捻って外くるぶしが腫れた、転んでひざを床に打ち付けた、重い物を持って急に腰がでて動けなくなった、野球で投球していて右肩を痛めた、起きがけに急に首が痛くて回らなくなった等、いろいろなケースが考えられます。明らかにケガの受傷機転(負傷原因)がはっきりしている場合は、保険診療できます。しかしこのように、原因のはっきりしない場合や、何度も同じ動作の繰り返しで、痛みの出ることはよくあります。腱鞘炎なんかも見方を変えれば、亜急性外傷であり、整骨院でも受信可能です。また、例え医療機関で“四十肩、五十肩”の診断を受けていても、四十肩の患者さんは、肩の動きが悪くなっている状態で、さらに何かの拍子に肩をいためる(ケガ)ということはよくあります。ヘルニアの診断を受けていても、別の原因で腰痛が出てしまうことは日常茶飯事です。

自己判断は禁物

つまり、患者さんが自己判断で、「五十肩がさらに悪くなった」「私は腰のヘルニア持ちで、今回腰痛が出たのはこのヘルニアがまた出た」というように、ご自分で自己判断して、ヘルニアは病気であり、ケガではないから、接骨院では診てもらえないと決めてかからないことです。どのような病気をお持ちであろうと、微細な外傷はその時はちくっと痛い感じがして(この時点で立派な外傷)しばらく忘れていて、それがもとで痛みがだんだん強くなってしまうとういような、ケガをされている場合がほとんどです。

なんでもかんでもレントゲン検査?

レントゲン検査は整形外科では必ずおこなわれますが、最近の研究では、骨折や脱臼、捻挫以外はレントゲン検査の必要は、ほとんど必要が無いことがわかってきています。腰痛がでればレントゲン、肩こりが強くなればレントゲン何でもかんでもレントゲンという時代は終わりにきています。放射線被曝するだけ損です。医療の先進国アメリカではこのような考え方で診察をしています。医療被曝が問題になっていますが、日本は世界中で放射線被曝(医療被曝)によるがんの発生率は、群を抜いてトップです。検査のためのレントゲンを撮って、10年後にがんになっていたなんて、笑い話ではすみません。

レントゲン検査は必要ない?

話は横道にずれてしまいましたが、いずれにしても、レントゲンは接骨院・整骨院では撮れませんが、ほとんどの場合必要がないのですから、整骨院で診療が十分にできます。もし、レントゲン検査が必要なら、医療機関を紹介しています。受傷機転がはっきりしなくても整骨院、接骨院で保険診療の対象となる場合がほとんどです。万が一、保険が使えないような場合でも保険診療でなくて、自費診療でも治療できますので、筋・骨格系の痛み(しびれを含む)は、どのような場合でも接骨院で診療、治療ができますので安心して、ご来院ください。生命にかかわるような場合も無いことはないわけですから、しっかりとした鑑別診断をおこなえるように、最新の知識、情報はたえず吸収し続けています。